行政の窓口に各種書類を届け出る法律の専門家

行政書士の資格の概要

業務が拡大しました

顧客となる個人や企業に変わって、官公署に提出する各種の許認可・届出書類などを作成して、その提出と相談業務を行うのが行政書士のお仕事です。取り扱う行政関連の事務が多様化している近年、将来性の高い資格として注目されています。業務範囲は広く、自分の得意とするフィールドに絞って仕事をすることができるので、非常にやりがいのあるのが特徴です。

業務内容の具体的な例としては、日本にいる外国人の帰化申請や在留許可申請(国際法務事務)、5年ごとに更新が義務付けられている建設業許可申請、遺言書や遺産分割協議書の作成(相続業務)、トラブルが絶えない通信販売におけるクーリングオフ、子供の認知や養育費問題、増加している熟年離婚などの調停・慰謝料、風俗営業許可申請などが挙げられます。

試験を受ける際には、年齢や学歴などの受験制限は設けられておらず、実務経験が求められることもありません。試験方式は記述中心ではなく、択一式が中心となっていますので解答しやすく特別なテクニックが求められることはありません。また、人数制限はなく、各科目ごとの基準点をクリアして、合計で60%以上得点すれば合格ですので、試験結果が他人の得点に左右されたりしません。

試験の内容は、法律の深い知識よりも基本的な知識がほとんどです。これは行政書士の仕事内容が広範囲にわたるものであることをそのまま物語っています。その意味では、広く浅く法律の知識を見つけることが望ましいといえるでしょう。試験科目が多く出題範囲もかなり広範囲にわたるというのも特徴です。そのため、試験範囲を絞り込むため、あるいは試験に精通したプロの指導を受けることを目的に多くの人が専門学校を利用しています。

法的な立場が明確になり、業務の領域が拡大

法律の基礎知識が試験で問われます

従来、行政書士は依頼人の代行業務を行ってきましたが、2002年7月以降、行政書士には、書類の提出・手続き・作成について「代理権」が与えられました。

依頼人に「代わって行う(=代行)」ことから、「代理人として行う」ことが可能になり、法的な立場がより明確になったといえます。これを機会に、さまざまな方面に行政書士の仕事の領域が広がりつつあります。このような動きは複雑な手続きが多い今日の社会で、この資格の必要が寄り高く認められたことを意味しています。

例えば、窓口で書類の不備などが見つかった場合でも、その場で行政書士が訂正することができます。また、行政書士が作成できる、契約そのほかに関する書類を「代理人として作成する」ことができます。

契約書に代理人として署名し、契約書に記載されている事柄に修正が必要などが生じた場合、これを行政書士の判断で修正を行なうことができます。例えば、これまで依頼者は行政書士に仕事を依頼した後に、弁護士や税理士などが必要となると、依頼者自身が探して依頼しなければ成りませんでした。しかし、現在はその煩わしさがなくなり、行政書士が窓口となって、専門家を取り次ぐことができるので、依頼人の手間も省けて時間も短縮されるようになりました。

行政書士に発行される行政書士証票は、全国の官公署のコンピュータに対応しているので、全国の行政書士の資格が直ぐに証明されます。この点も、行政の窓口における地位が向上した証と言えるでしょう。

官公署、権利義務、事実証明…など作成できる書類はたくさん

不動産から保険までカバー

行政書士法では行政書士が作成できる書類の種類を以下のように定めています。

官公署に提出する書類…店を開いたり、新たなビジネスを開始するときに行政機関である役所に提出しなければならない書類です。建築業許可申請書、宅地建物取引業免許申請書、旅行業登録申請書、著作権登録申請書などがこれに該当します。

権利義務に関する書類…ある権利が発生したり、存続したり、変更したり、証明するときなど、その意思を表すことで利益をもたらすために作成される書類です。不動産の売買契約書、部屋を借りる時の賃貸契約書、会社設立の目的を示した規則(定款)、示談書などです。

事実証明に関する書類…内容証明郵便、株主総会の議事録など、社会生活を送る上で、権利や利益に関する事実を証明してくれる書類です。医療の高度化に伴い、患者の手術や治療プロセスは複雑化した結果、医療事故も増えています。他の診療科と比較して、医療事故の際の訴訟リスクが高い小児科や産婦人科の勤務医で医師賠償責任保険に未加入の方は依然として多いようです。医療機関が加入する病院賠償責任保険を過信しないで、個人として加入することが重要です。

このように行政書士が作成できる書類の数は細かく分けると約1万種類あるといわれていますが、そのなかには婚姻届や出生届、自動車免許を取るための書類など、書類の書き方を見れば本人が書類を作成して窓口に提出できるものがたくさんあります。これらを除けば、実際に取り扱う書類の種類はかなり限定されて、次の約20種類になります。

日本行政書士連合会によると、建設業、農地法、会社設立、相続・遺言、車庫証明、自動車登録、開発許可、宅地造成、内容証明、風俗営業の許可、国土法による土地利用、道路使用許可、運送業許可、帳簿会計、社会保険や労働保険の適用、測量や土地の境界、永住・貴下の許可、貸金業に関する書類などがあげられています。